「リーガルサポート 権利擁護支援シンポジウム」開催報告
2023.03.14
「いま、成年後見人について考える~適切な後見人等の選任・交代と担い手の確保・育成の推進~」と題したリーガルサポート主催のシンポジウムが、会場とWEBにて令和5年3月3日開催されました。
~プログラム~
●基調講演1
「適切な後見人等の選任・交代の推進に関する家庭裁判所の取組」
向井 宣人氏(最高裁判所 事務総局 家庭局 第二課長)
●基調講演2
「適切な後見人等の選任・交代及び担い手の確保・育成の推進に関する厚生労働省の取組」
松﨑 俊久氏
(厚生労働省 社会・援護局 地域福祉課 成年後見制度利用促進室 室長)
●基調講演3
「中核機関における権利擁護支援チームの形成支援の取組」
安藤 亨氏(豊田市 福祉部 福祉総合相談課 主任主査)
今井 末果氏(豊田市成年後見支援センター 主査)
●パネルディスカッション
「いま、成年後見人について考える
~適切な後見人等の選任・交代と担い手の確保・育成の推進~」
最高裁判所担当者、厚生労働省担当者からは成年後見人等の選任・交代に関する裁判所や国における取組について、豊田市(愛知県)の担当者からは成年後見の現場に最も近い公的組織である「中核機関」における具体的な取組について、それぞれ講演がありました。パネルディスカッションでは豊田市含めいくつかの地域からの参加者による事例紹介と質疑が行われました。当神奈川県支部からも、岩屋口智栄会員がパネリストとして、橋本健司会員がコーディネーターとして登壇いたしました。
基調講演3では、豊田市において中核機関がどういう機能を持ちどう運営されているか/市民の方に利用してもらうためにどのように相談窓口の告知をしているか/後見人等選任の前段階ともなるいくつかの「権利擁護支援チーム」をそれぞれどのようなメンバーでどのように運営しているか、など、試行錯誤の上たどり着いたと思われる多くの取組が紹介されました。
成年後見制度の利用ありきではなく必要な場合には成年後見制度を利用する、というスタンスで本人支援が無理なく進められているのが垣間見られ、「成年後見制度の利用ニーズと後見人等受任の担い手数とのギャップの大きさなどから多様な主体(専門職後見人に加えて親族、市民後見人)による『ベストミックス(複数の手法を組み合わせて最も効果的な解決策を得ること)の形式』を目指している」との説明が印象的でした。
本シンポジウムは、後日、リーガルサポートのホームページにてオンデマンドで配信予定です。ぜひ多くの皆様にご視聴いただき、各地での具体的な取組を参考にしていただければと思います。