令和4年度成年後見制度利用促進体制整備研修 受講報告

2023.01.20

 標記の研修は、成年後見制度の利用といった権利擁護支援が全国で適切に行われるように、十分な専門性を有する人材を養成することを目的としたものです。厚生労働省及び神奈川県からリーガルサポートに受講依頼があったことから、リーガルサポートかながわを代表して支部長の美女平佳秀が受講しましたので、そのレポートを掲載いたします。

 

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 研修内容は、都道府県職員向けと都道府県が整備する相談窓口の専門アドバイザー(体制整備担当・権利擁護支援担当)向けに分かれていて、私は権利擁護支援担当アドバイザー向けのカリキュラムを受講しました。研修は次の3部構成となっていて、アドバイザーとして必要な知識を学習した上で、複雑な虐待事例や丁寧な意思決定支援を要する事例の検討を通じて、アドバイザーに求められる立場や考え方を学ぶというものでした。

 

①動画配信形式の研修

 権利擁護支援担当アドバイザー対象プログラム(10時間30分程度)を視聴しました。

 成年後見制度利用促進基本法・基本計画、高齢者・障害者虐待対応、障害福祉分野における権利擁護施設の展開等、アドバイザーとして求められる知識を得るものでした。

②権利擁護支援担当アドバイザー対象のライブ配信形式の演習研修

 令和4年11月7日9時5分から17時15分まで開催されました。

 比較的簡単な事例に対して受講者同士の意見交換と講師解説を行う研修で、動画配信形式の研修で得た知識をアドバイザーとしての実践の場に活用する基礎練習になりました。

③都道府県職員、アドバイザー対象のライブ配信形式の総合演習研修

 令和4年12月16日9時20分から17時20分まで開催されました。

 より複雑な事例について受講者同士の意見交換と講師解説を行う研修で、前回より実践的な研修でした。ここまでの研修で得た知識に加え、これまで成年後見業務を通じて得た知識をアドバイザーとしての実践の場に活用する練習になりました。

 

 私達リーガルサポートの会員は、定期的な研修受講が義務付けられています。私も、成年後見人に必要な知識に関する研修、その中でも虐待対応や意思決定支援に関する研修は多く受講してきました。しかし、その研修の多くは、「成年後見人としてどう対応するか」学び、考えるものです。今回の研修では、「成年後見制度ありきではなく、アドバイザーとして権利擁護支援を必要とする本人とその支援者チームにどう助言するか」学び、考えることができました。そして、このアドバイザーの立場は、成年後見制度利用に関するご相談にのる立場と共通する部分が多く、アドバイザーとして求められる知識・考え方は、日々の司法書士業務にも十分活かす必要があると感じました。

 

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