未成年後見に関する研修会が開催されました

2024.01.29

(公社)成年後見センター・リーガルサポートでは公益目的事業に未成年後見制度に関する事業を加えることについて、令和5年8月に内閣総理大臣から変更認定を受けました。

認定を受ける前からも、司法書士の成年後見人としての活動を評価され、親権を行使する者がない未成年者の権利を擁護するため、全国の司法書士が未成年後見人として多く選任されています。

さらに多くの未成年後見人を養成するため日本司法書士連合会と共催で、未成年後見人に関する研修会が下記の内容で1月28日(日)に会場開催とWEBを利用した同時視聴の方式で開催されました。

 

———————————————————————————-

第1講 傷ついた体験がある子どもの理解について/90 分
(講師:東北医科薬科大学病院精神科病院准教授 福地成氏)
第2講 未成年後見制度について/90 分
(講師:東北学院大学法学部・大学院法学研究科教授 遠藤隆幸氏)
第3講 子どもの人権について/90 分
(講師:一般社団法人 Masterpiece 代表 菊池真梨香氏)
第4講 未成年後見の実務について/90 分
(講師:後見制度対策部未成年後見WT部委員 野本真由美)

———————————————————————————-

第1講は、傷ついた体験がある子どもが抱える問題、接し方について専門的な用語を使用しない、とてもわかりやすい講義でした。成年後見活動も同様ですが、後見人一人でご本人を支えることは困難なため、「チームで支援できる体制」を日頃から形成しておくことが未成年後見の場合でも重要であることを学びました。

 

第2講では、未成年後見は「親代わり」の制度か?という出発点から、現行の未成年後見制度の概要を確認し、これまで未成年後見に関して議論された家族法上の論点を学びました。未成年後見人は未成年者の法定監督義務者とされますが、未成年が不法行為を行ってしまった場合に、未成年後見人が責任を問われるのか否かについては、非常に興味があるところでした。

 

第3講では、社会的養護が必要な子どもと日々接している講師から、子ども達のリアルな状況、気持ち、抱える問題を講義いただき、未成年者と関わる上で重要なことを学びました。

「お母さんは何歳?」というなにげない質問が、社会的養護が必要な子どもにとっては非常に困る質問となるということは、あらたな気づきを与えてくれました。また、未成年後見人が就任していた元未成年者からの未成年後見制度利用に関する感想も伺うことができ、未成年後見人としてどのように未成年者と接するべきか、どうあるべきか、というヒントになったと思います。

 

第4講では、未成年後見人として活動されているリーガルサポート会員による、未成年後見人の実務について具体的な講義でした。同じ後見人であっても財産管理面・身上保護面で成年後見人業務と異なる部分があり、これから未成年後見人に新たに取組む会員にとって、とても有意義な研修となりました。

  • 各種相談(電話・面談)
  • 管轄家庭裁判所 県内の家庭裁判所のご案内